Thu, Mar 12, 2020

コロナウイルスの市場ボラティリティ – のれんの減損は避けられない結果ではない

世界保健機関(WHO)は、3月11日にCOVID-19(コロナウイルス)がパンデミックになったと発表しました。このアウトブレイクは市場のボラティリティを高め、時価総額の大幅な下落を引き起こしており、減損テストのトリガーとなるイベントが発生しているかどうかの判断材料の一つとなっています。企業の予測は、サプライチェーンの中断や、製品またはサービスの需要の変化、あるいは顧客の喪失によっても影響を受ける可能性があります。他より脆弱な産業や企業もありますが、パンデミックや積極的なCOVID-19封じ込め措置の影響は、社会的および経済的行動に影響を与え、全体的な不確実性を高める可能性があります。全体として、これらの要因は、企業の見通しや評価、ならびに関連するのれんの回収可能性に悪影響を与える可能性があります。このため、のれんの減損テストが必要となるトリガーイベントが発生したかどうかの評価が必要になります。トリガーイベントが発生した場合、のれんの減損テストを実施する前に、無形資産を含む他の資産の潜在的な減損の評価も必要です。 

株価の一時的な下落と持続的な下落の区別は、トリガーイベントが発生したかどうかを判断する上で重要な要素です。株価の変動はそれ自体では判断できない場合があり、すべての事実や状況はイベントが経時的に展開するため、慎重に評価する必要があります。極めて不安定な市場におけるのれんの減損は、然の結論であってはなりません。

Duff&Phelpsは、企業が減損トリガーをやり過ごせるようにし、減損分析が必要な場合には、ASC350「無形固定資産-のれん及びその他」、ASC360-10「長期性資産の減損または処分」、ならびに国際会計基準36「資産の減損」に基づく減損テストの目的での、のれんや、耐用年数が確定しない無形資産、耐用年数の長い資産の評価を支援します。

上記の説明およびCOVID-19が減損テストに与える影響については、当社のチームメンバーまたはお近くのDuff&Phelpsの担当者にお問い合わせください。



企業価値評価

企業活動の多くの場面において、株主価値の把握、企業価値の分析は欠かせません。

財務報告関連評価-取得価額配分

日本会計基準、米国会計基準、国際財務報告基準等の会計基準において企業結合時等に要請される財務報告目的の評価を行います。

財務報告関連評価-減損テスト

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