3月11日、世界保健機関(WHO)はCOVID-19(コロナウイルス)がパンデミックになったと発表しました。世界的なウイルスの大流行は、金融市場とマクロ経済に大きな変化をもたらしており、グローバルなサプライチェーンや収益性に直接的な影響を与えています。各国政府はウイルスの拡散を遅らせる手段として、人々の移動に前例のない制限をかけていることから、今後数週間から数ヶ月の間にその影響はさらに深刻化することが予想されています。

企業はこういった措置の最終的な影響を棚卸しする一方で、中長期的な結果としては、ビジネスモデルやサプライチェーンの再構築、調達・製造拠点の多様化、リスク分散のための新市場開拓、資産の処分、新規買収の統合などが考えられます。

移転価格の観点から、注意すべき問題と傾向としては、以下のようなものがあります。

  • 影響を受ける企業は、営業損益の低さを関連税務当局に説明することを求められます。そのような場合、将来の税務調査の際に強固な防御を提供し、また営業損益の低さが関係者間の移転価格ポリシーの結果ではないことを実証できるようにするために、COVID-19の営業成績への影響をモデル化する必要があるかもしれません。
  • 移転価格モデルは、グループ全体の機能や、資産、リスクの再配分を確実に反映するために、サプライチェーンに加えられた変更に合わせて調整する必要があります。
  • 政府と税務当局は、予想される景気減速によって引き起こされる国家予算の穴を埋めるために、移転価格をより重視することになるでしょう。また、税制上の優遇措置、インセンティブ、リベートなど、さまざまな財政刺激策を講じることもあります。中国政府はすでにそのような措置をいくつか導入しています。納税者は、これらの措置を理解して、対象となるかどうかを確認する必要があります。また、移転価格ポリシーおよび会社間構造への潜在的な影響を理解しなければなりません。
  • 納税者は、COVID-19のリスク軽減に関連する他の費用を考慮すると、移転価格のコンプライアンスとサポートのための予算が逼迫する可能性があります。したがって、合理化された費用対効果の高いソリューションを模索し、移転価格のリスクとコンプライアンスを管理する必要があります。

上記の説明およびCOVID-19がビジネスに与える影響については、当社のチームメンバーまたはお近くのDuff&Phelpsの担当者にお問い合わせください。



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